不易流行vol.103
働き⽅改⾰の⼀環として時間外労働の上限規制が労働基準法に規定され、中⼩企業においては令和2年4⽉から適⽤されています。⼀⽅で建設業、運送業、医師などについては、業務の特性などの課題があることから、時間外労働の上限規制の適⽤が5年間猶予されていました。しかしながら様々な課題の改善に取り組んだとして、令和6年4⽉から適⽤が開始されております。これが2024年問題を引き起こすとして多くのメディアが取り上げておりますが、特に運送業界など物流分野が及ぼす影響は深刻です。それは⾃動⾞を使った運送、運搬業界に従事する⼈の残業時間が制限されることで、①荷物の量が減り売り上げが減るので減収分を運送料に上乗せせざるを得ない。②運送料が⾼くなると荷物を受けとった側も商品やサービスに値上げされた運送料を転嫁した値上げが起こるというように、現在の原材料価格や物価上昇に⼤きく影響しているという事なのです。 10/3~4と東京で開催されました、全国建設業労働災害防⽌⼤会に参加して参りました。今回は創⽴60周年記念⼤会で初⽇はビッグサイト、⼆⽇⽬は東京国際フォーラムで開催されました。特設会場では安全衛⽣保護具・測定機器・安全標識等展⽰会が開催されており、墜落・転落防⽌の最新設備やICT活⽤の最前線の技術など多く展⽰されておりました。
第12回全国まるごとうどんエキスポが10/5~6と昨年に続き稲川地区で⾏われました。今年は北海道から九州まで全国12店舗のうどんが出店し、2⽇間の来場者は7万⼈、会場は⼤勢の家族連れなどでにぎわいました。グランプリは⼤阪かすうどん(⼤阪府)、準グランプリは稲庭うどん、第3位は初登場のオカベの麺(徳島)が受賞しました。
建設マスター(優秀施⼯者国⼟交通⼤⾂顕彰)は、建設産業に従事している現役の技能者の中で、第⼀線の現場作業に従事し、卓越した技術・技能を有している「ものづくりの名⼈」です。建設マスターの顕彰基準は [1]技術・技能が優秀であること [2]⼯事施⼯の合理化等に貢献していること [3]後進の指導育成に努めていること [4]安全・衛⽣の向上に貢献していること [5]他の建設現場従業者の模範となっていることです。当社では松⽥鉄道⼯事部⻑に続き⼆⼈⽬です。誠におめでとうございます。
9⽉24⽇に開催された、「東北中央⾃動⾞道新庄・湯沢間建設促進フォーラム」での記念講演は京都⼤学の藤井聡先⽣による「地⽅の盛衰、国家の命運は『道路』で決まる」と題したものでした。その藤井先⽣が元道路局⻑・技監の⼤⽯先⽣と共に著した「⽇本⼈は国⼟でできている」という本を読んでみました。本の中ではこの2024年問題について以下の様に触れております。①2024年4⽉1⽇以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限され輸送能⼒が不⾜し物流能⼒が低下した ②仮に⽇本にドイツのようなアウトバーンが存在していれば1時間で150キロ先に物を運ぶことができる ③積み降ろしも含めて2時間半あれば150キロ先の都市を往復することができる。④1⽇の労働時間が8時間だとすれば3回も往復することができる ⑤つまり150キロ先の物流業務は1⼈のドライバーで3セットこなすことができる ⑥⽇本では都市部で渋滞が発⽣すると150キロ先の都市を往復するのに3時間も4時間もかかる ⑦時速40キロでしか進めない場合4時間かかり1⼈のドライバーで運べる物流量は三分の⼀以下に減少する ⑧したがって2024年問題を解消するには⾼速道路の整備を急ぐという⻑期的なビジョンが必要 ⑨⾼性な道路ネットワークさえ⽇本が持っていればいともたやすく問題解決できるのにそのような議論が⽇本ではまったく⾏われていない。
インフラ整備の重要性を分かりやすく説いていて、⼤変興味深い内容でした。是⾮多くの⽅に読んでもらいたいと思います。
建災防全国⼤会
うどんエキスポ
平良⼟⽊部⻑⼤⾂表彰